サツマスミレ (薩摩菫) [異節間交雑種]
サツマスミレ
サツマスミレ
東京都 2014年3月31日 植栽
サツマスミレ サツマスミレ
サツマスミレ
東京都 2011年4月9日 植栽
交雑親
ツクシスミレ
ツクシスミレ ( 2n=26 )
Viola diffusa Ging. ex DC.
ニョイスミレ
ニョイスミレ ( 2n=24 )
Viola verecunda A. Gray
学名
Viola x sp.
Viola diffusa Ging. ex DC. x V. verecunda A. Gray in Bull. Bot. Soc. Nagano no. 6: 27, f. 1, center & 2, center, t. 2 (1973)
茎の形態 有茎種間の交雑種 [異節間交雑種]
生育環境 湿気の多い両母種の混生地で見い出された。
分布 国内
海外
補足
花の特徴 形状 小輪。唇弁が短く、全体に横長に見える。
表面は淡い紫紅色、裏面は白っぽい。両親の持つ印象とは異なり、紅色が強めに出る個体が多い。
丸く白い。
花期
花柱
芳香
補足 側弁にはニョイスミレ由来と見られる白い毛がある。側弁基部の毛は長い。
葉の特徴 形状 先が軽く尖る長卵状から円状、基部は浅い心臓形。
両面とも濃い緑色。
補足 表面にはツクシスミレ由来の毛が密に生える。葉柄には翼HELP! がある。
根の特徴 浜栄助氏WHO!の「原色日本のすみれ」(出典:G001) の記載によると、古いものでは太くなって木質化する*(出典:G001)
絶滅危惧情報
基準標本 鹿児島
参考情報
その他 花期は両母種の中間にあたる5月初旬であったとのこと。不稔だが、ランナーを出して良く増え、栽培は容易とされる。
1972年5月5日、神山隆之氏WHO!が鹿児島県薩摩郡鶴田町で見い出した。
 ツクシスミレ、ニョイスミレの交雑種は一般に珍しいのですが、前述の「原色日本のすみれ」には『~わが国最初の発見のものであり、また異節間の自然交雑と言う意味においても非常に貴重なものである』と記載されています。毛深い葉や茎に囲まれながら、花は可憐な印象でした。
2010/12/21

 資料によると、片親がニョイスミレという共通点を持つハツネスミレと、幾つかの特徴が似ているようです。花後、多くの地上茎が伸びて太くなり、四方に拡がるとのこと。栽培して確認したいと思わせる魅力を感じますね。栽培は容易とのことです。
2022/01/15

 サツマスミレという名称が、俗称ながら、エイザンスミレの別名の一つと同じだそうです。エイザンスミレの別名としては、一般にエゾスミレが知られていますが、サツマスミレは意外でした。まぁ、別名の一つというレベルまで意識すれば、命名候補を探すこと自体が困難でしょうね。
2022/01/25

 サツマスミレについて調べていると、「外来種(外国種)との交配種」といった内容だったりすることがあります。おかしいなぁと調べてみますと、「ツクシスミレ x ニョイスミレ」のはずが、「ヤマツクシスミレ x ニョイスミレ」という話に化けていることが分かりました。
 勘違いでしょうね。それも、少しすみれに詳しい方でないと、こういう話の展開になりません。これは人工交配種ではなくて、神山氏が自生地で見つけた自然交配種がスタートポイントですから、高度な勘違いをしないでくださいね。
2023/01/13


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 (2011/04/10) Latest Update 2023/08/06 [290KB]

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