アオイスミレ (葵菫) [別名:ヒナブキ]
アオイスミレ
東京都八王子市 2021年3月10日 高尾山 alt.=265m
花のサイズが小さめで、なんだか、可愛らしい印象があるように思います
アオイスミレ
東京都八王子市 2011年3月27日 高尾山 alt.=270m
アオイスミレ アオイスミレ
東京都八王子市 2003年3月29日 高尾山 2005年3月19日
アオイスミレ アオイスミレ
熊本県阿蘇郡 1999年3月20日 高森

アオイスミレ アオイスミレ
東京都八王子市 2000年4月2日 高尾山
アオイスミレ アオイスミレ
東京都八王子市 2001年4月8日 陣馬山
アオイスミレ
千葉県千葉市 2006年3月11日
分類 ニオイスミレ類
学名 基本種 Viola hondoensis W. Becker et Boissieu Published in: Bull. Herb. Boissier ser.II, 8:739 (1908)
変種
品種
異名
Viola hirta var. japonica Maxim.
Viola nipponica Maxim.
Viola teshioensis Miyabe & Tatew.
Viola tomentosifolia Makino
Viola yatabeana Makino
由来 hondoensis : 本土産の
外語一般名 【中】日本球果堇菜 (ri ben qiu guo jin cai)、【韓】아욱제비꽃
茎の形態 有茎。花後、匍匐枝(茎)HELP!が延びて、* ところどころに新苗を出して増える「日本の野草(山と渓谷社)」
生育環境 湿度の多い落葉樹林下、林縁などを好む。
分布 国内 ほぼ日本全国で見られる。
海外 朝鮮半島から中国で見られる。
補足 理由が判然としないが、日本固有種と表現している資料が散見される。
花の特徴 形状 中輪。上弁が立ち気味。側弁は前に出る。基部の毛はあるものとないものがある。
淡い紫から白色。赤紫色の条が強く入る。
少し細長い円筒形で、先が上に反る傾向がある(チョンマゲ風)。
花期 極く早咲き。
花柱 棒状で先が鍵のように曲がる(例外あり)。
芳香 なし。
補足 花弁が波打ち、上弁に隙間ができ、整った形は少ない。
葉の特徴 形状 丸い心形から円形(フタバアオイに似る)。原則として先端は尖らない。
両面とも柔らかい緑色。表裏で差が少ない。
補足 花期に葉が展開しきらず、巻いている。托葉は全縁で縁に毛がある。
種の特徴 形状 倒卵形、広倒卵形。中大粒。
種子:淡褐色、種枕(エライオソーム):淡褐白色。光沢はない。
補足
へそに大きな種枕が残る。炸裂せず、茎元に転がり落ちる。
アリを誘引するエライオソームHELP!が発達している。蟻散布植物。
根の特徴 淡い茶褐色。太い根が真っ直ぐに伸び、周辺にひげ根が出る。
絶滅危惧情報 鹿児島県:絶滅危惧Ⅰ類
基準標本 青森
染色体数 2n=20 (Nishikawa, T., 1985, Journal of Hokkaido University of Education : Section IIB)
参考情報
その他 命名の由来は葉がフタバアオイに似ていること(この紋所が目に入らぬか!の葵)。
別名のヒナブキの方は、『小さい蕗(ふき)』を意味し、葉の形状に由来する。
植物体の全体がビロード状の微毛で覆われている。
栽培の上手な方によると、蕾を付けたまま越冬して春一番で花を咲かせるとのこと。

アオイスミレ アオイスミレ アオイスミレ
千葉県佐倉市 2009年3月7日
アオイスミレ
千葉県佐倉市 2012年4月1日

アオイスミレ アオイスミレ
千葉県佐倉市 2013年3月16日

アオイスミレ アオイスミレ アオイスミレ
アオイスミレ アオイスミレ アオイスミレ
新潟県上越市 2013年5月10日 alt.=220m

 花が展開している時に、冬を越した葉が残っています。当然、きれいな葉ではありません。匍匐枝(茎)HELP!で増殖した群がまとまって見つかることが多いのですが、土に寝そべった葉の上に、花が少しだらしなく乗っていることがあります。植物体全体に微毛が見られます。
 早咲きのトップランナー。阿蘇・高森町で撮影したアオイスミレは、前日に降った雹で身震いしながら、陽光を待っていました。
1999/06/20

 植物レッドデータブック情報によると、長崎県でアオイスミレが「絶滅危惧II類」に指定されています。ただ、長崎県から佐賀県で移動している時に、極く普通に見掛けましたので、この指定には少し違和感もありますが、現段階では記載情報を信用するしかありません。
2008/01/23


アオイスミレ アオイスミレ
千葉県佐倉市 2009年3月7日 千葉県佐倉市 2009年3月15日

 花の中心部をアップにしてみました。注目して欲しいのは柱頭の先端です。エゾアオイスミレやイブキスミレという変わり者たちと同様、柱頭の先端が鍵状に曲がる特徴があると言われています。確かに、上の写真右側は不思議な曲がり方をしていますが、左側は棒状に真っ直ぐです。実は、3月7日にアオイスミレらしさが足りない個体に巡り合いました。どうにも納得できなかったので、翌週に再訪問して確認したという訳です。
 さて、結論は何も出ていません。なにしろ、第一印象が「アオイスミレらしくない」からスタートしていますので、そのらしくない個体にアオイスミレの特徴が見られなかったのですから、こうして比べても意味がないのかも知れません。ただ、らしくないだけで、全体印象を除く特徴、つまり、葉の形状や茎に見られる毛の様子などはアオイスミレのものでした。できれば、もう少し調査をしてみたいと思います。ポイントは「柱頭先端の形状はアオイスミレの同定基準足りうるか!」というところでしょうか。または、これは「純粋にアオイスミレか?」かも知れません。
2009/03/17


(つぶやきの棚)徒然草

 (1999/06/20) Latest Update 2024/03/16 [800KB]

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