アケボノスミレ (曙菫) [別名:エゾスミレサイシン、エゾサイシンスミレ]
アケボノスミレ
山梨県笛吹市 2005年5月3日 alt.=1,180m(左の葉と茎はエゾノタチツボスミレ)
アケボノスミレ アケボノスミレ
山梨県笛吹市 2011年4月30日 alt.=1,000m
アケボノスミレ アケボノスミレ
長野県岡谷市 2004年5月28日 alt.=1,665m
アケボノスミレ
アケボノスミレ アケボノスミレ
神奈川県 2010年5月1日 alt.=775m
アケボノスミレ アケボノスミレ
アケボノスミレ アケボノスミレ
  • 群馬県高崎市 1999年5月2日 榛名山
  • 東京都八王子市 2001年4月15日 高尾山
とても美しいスミレだと思います
風の強い草原でフラフラしながらも、細長い茎なのに立ち上がります
花の中心部が黄色っぽいところが、ヒカゲスミレに似ています
アケボノスミレ アケボノスミレ
長野県長野市 1999年5月3日 戸隠村
分類 スミレサイシン類
学名 基本種 アケボノスミレ Viola rossii Hemsley ex Forbes et Hemsley Published in: F. B. Forbes & W. B. Hemsley, J. Linn. Soc., Bot. 23:54. (1886)
変種
品種
クロバナアケボノスミレ Viola rossii f. atro-purpurea (Nakai) F.Maek. Published in: Enum. Spermatophytarum Japon. 3: 215 (1954)

シロバナアケボノスミレ Viola rossii f. lactiflora (Nakai) Hiyama ex F.Maek. Published in: Enum. Spermatophytarum Japon. 3: 215 (1954)
異名
Viola franchetii H.Boissieu Published in: Bull. Soc. Bot. France 47:321. (1901)
Viola matsumurae Makino Published in: Bot. Mag. (Tokyo) 16:134. (1902)
ナガバノアケボノスミレ Viola rossii f. longifolia Hashimoto & Serizawa
由来 Viola rossii : 人名に由来 H. J. Ross, 1820-1902 イギリスの植物採集家
外語一般名 【中】辽宁堇菜 liao ning jin cai、【韓】고깔제비꽃
茎の形態 無茎種
生育環境 山地の明るく乾燥気味の林下、林縁に見られる。落ち葉の積もった斜面などに多い。
分布 国内 北海道南部から九州中部までの内陸部に分布する。比較的、西日本、日本海側には少ない。
海外 朝鮮半島、中国から南千島、ロシア国境まで分布する。
補足
花の特徴 形状 花全体が丸く大きく、ソフトなイメージの大輪。花弁に厚みがある。
側弁は無毛で稀にわずかに毛があると説明されるが、現実には有毛の個体も少なくはない。
ピンク色(白色に近いものから、小豆色まで幅がある)。花茎は茶褐色を呈する。
和名の「曙」は、花色を夜明けの空の色にたとえたとされる。
短く太い。
花期 普通。
花柱 カマキリの頭形。
芳香 芳香のあるものと、ないものがある。
補足 花弁の大きさは全て概ね等しい。萼片は大きく切れ込みはない。付属体は全縁。
葉の特徴 形状 先の尖った心形または心円形。基部は心形。
明るい緑色。表面は毛が少なくて光沢がある。裏面の微毛は、後になくなるとされる。
補足 花後にやっと大きく展開する。
種の特徴 形状 倒卵形。へその方へ尖る。大粒。
種子:白色。
補足 果実には褐色の斑点がある。
根の特徴 太くて白い。* 地下茎も太くて節が多い「日本の野草(山と渓谷社)」
絶滅危惧情報 秋田県:絶滅危惧Ⅰ類、埼玉県:準絶滅危惧種、福井県:絶滅危惧Ⅱ類、滋賀県:絶滅危惧Ⅰ類、京都府:絶滅危惧Ⅱ類、大阪府:絶滅危惧Ⅰ類、奈良県:絶滅危惧Ⅰ類、兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、鳥取県:準絶滅危惧種、山口県:絶滅危惧Ⅱ類、高知県:絶滅危惧Ⅰ類、福岡県:絶滅危惧Ⅰ類、熊本県:準絶滅危惧種、長崎県:絶滅危惧Ⅰ類
基準標本 中国(Lectotype)
染色体数 2n=24
参考情報
その他 アケボノスミレサイシン類はスミレサイシンが日本海側、アケボノスミレが内陸部、ナガバノスミレサイシンが太平洋側と住み分けられている。

枯れ葉の間から太い茎が伸びて、沈んだピンク色の大柄な花を付けます。スミレサイシン類には共通する葉の特徴があります。

アケボノスミレ(葉) アケボノスミレ(葉)

葉柄も長く太いのですが、花期には斜めに立ち上がり、垂直に伸びる花が一方的に目立ちます。

花が完全に開いた状態でも葉の展開は不十分で、花束を包む包装紙の様に丸まったままです。


アケボノスミレ(葉)

すみれ大国「長野」「群馬」から「埼玉」を中心に分布しています。群馬ではじめて見つけた時は、とても嬉しくて、「こんな大柄なイメージのすみれもあるんだな!」と感心しきりでした。高尾山のナガバノアケボノスミレサイシンとは、かなりイメージが違います。その後、長野で見た個体は、もう一回り大きいものでした。残念ながら、群馬・長野ともに、図鑑で見ていた花とは色合いが異なり、少し青みがかっていました。 1999/10/22


右の写真は、開花から少し時間が経過した段階の群馬県産アケボノスミレの葉です。表面は無毛のはずですが、微毛が見えていますね。もちろん、毛だらけの裏面ほどではありませんが、葉脈などを中心に疎らに白い微毛があります。葉の特徴に関する記述を変更しました。因みに、葉柄にはないようです。 2016/01/09


アケボノスミレ
岩手県(平泉町) 2011年5月14日
 岩手県とアケボノスミレがイメージとして結びついていませんでした。唐突に目の前に現れた群落に驚き、アケボノスミレを初めて見る姉といっしょに、夢中で撮影していたものです。落ち着いてみると、どの個体も少し小さめで花茎が短く、既に展開しようとしている葉と、花の開花位置が同じ程度の高さです。側弁には毛がありますね。最初に「無毛で、稀にわずかに毛がある」と覚えてしまったのですが、体験的には有毛の個体の方が多かったように思います。
2011/05/29


(つぶやきの棚)徒然草

 (1999/10/22) Latest Update 2024/02/08 [655KB]

ページのトップへ戻る